タウンニュース綾瀬版4月28日号 人物風土記「斎藤恵美子さん」                               ONEハート通信2017年7月 No189号
                                          
 


20年前に立ち上げた団体「ONEハート」は現在、100人以上のメンバーが活動し、
年間200回以上の公演をしている。

記念公演を目前に控え、「慌ただしい日々を過ごしています」と話すが、その表情はどこか楽しそう。

「お客様たちはもちろん、演奏する会員たちも一緒に楽しんでもらえる。
そんな時間になれば」と願いを込める。

 
40歳のとき、自宅で苦楽教室を開いていた縁から重度の障害者施設でエクトーンの指導依頼を受た。
ただ学ぶだけでなく、音楽を楽しんでほしいと考、演奏会を開催。

演奏を楽しむ姿に目が見えない、歩けないなどの障害は関係なく、耳が聞こえなくても楽器に手を当て、
音の振動を感じている姿を見て、音楽の凄さに感激したことを忘れはしない。

「この思いを多くの人に感じてもらえたら」というのが、団体発足の原点。
同施設へのコンサートは今も続けている。



小学3年生の頃、交響楽団の演奏に感動し、ピアノを習いだした。
「裕福な家庭では無かったけど、『おやつはいらないから習わせて欲しい』と3日間くらい粘りました」
と当時を思い浮かべる。

一時、音楽からは離れたが、大人になってから再開し、結婚式場で演奏するブライダル奏者として、
10年間で千件以上の挙式に花を添えた。

「音楽一家のような恵まれた演奏環境では無かったから、自ら音楽の出来る場に飛び込む必要があった。
その経験が今でも活きています」

 
”笑顔は他人を笑顔にする”をモットーに、感動を人に伝播させる。その思いが通じてか、
会員自らが公演する場を見つけてきたり、仲間集めもしてくれる。長く続けていられる支えとして、
夫の存在がある。
大学時代に放送劇を通して出会った夫とともに、朗読劇を始めるなど二人三脚の活動を進めている。

「会場にいる人の心が一つになる場を提供したい。
それが”ONEハート”と名付けた時の夢です」と熱く語る。