20年前に立ち上げた団体「ONEハート」は現在、100人以上のメンバーが活動し、 年間200回以上の公演をしている。
記念公演を目前に控え、「慌ただしい日々を過ごしています」と話すが、その表情はどこか楽しそう。
「お客様たちはもちろん、演奏する会員たちも一緒に楽しんでもらえる。 そんな時間になれば」と願いを込める。
演奏を楽しむ姿に目が見えない、歩けないなどの障害は関係なく、耳が聞こえなくても楽器に手を当て、 音の振動を感じている姿を見て、音楽の凄さに感激したことを忘れはしない。
「この思いを多くの人に感じてもらえたら」というのが、団体発足の原点。 同施設へのコンサートは今も続けている。
小学3年生の頃、交響楽団の演奏に感動し、ピアノを習いだした。 「裕福な家庭では無かったけど、『おやつはいらないから習わせて欲しい』と3日間くらい粘りました」 と当時を思い浮かべる。
一時、音楽からは離れたが、大人になってから再開し、結婚式場で演奏するブライダル奏者として、 10年間で千件以上の挙式に花を添えた。
「音楽一家のような恵まれた演奏環境では無かったから、自ら音楽の出来る場に飛び込む必要があった。 その経験が今でも活きています」
「会場にいる人の心が一つになる場を提供したい。 それが”ONEハート”と名付けた時の夢です」と熱く語る。